ミラクル石日記

ストーンヘンジを見た。

ストーンヘンジで検索しようとすると、サジェストの1番上にがっかり、と出る。

分かるよ、だって巨石が少し並んでるだけだし、建物の体にもなってないし、その上以前はサークル内に入って石にも触れたらしいが、今はできないしね。

でも見ときたいだろうが!

という気持ちで見てきた。

 

夫は興味ないだろうから来なくてもいいがと言ったのだが、まあいいよ行くよ、と言ってくれたので家族みんなで行った。

息子に、石を見に行こう、と言うと、足が汚れると洗わなきゃいけないから嫌なんだよ…と言われた。いや靴に入るような石じゃないからさ、と言ったら、じゃあいいけど…とのことだった。

 

車で現地へ向かう途中で、遠目に小さく遺跡が見えた。あっアレだっアレだよっとボルテージを上げる私の横で、息子はふーん…、…えっもう見たけど? とかなりサゲだった。

 

世界遺産なのでビジターセンターがある。世界遺産に登録するとこういう、来た人に凄さを説明する施設を作らなければならないのだ。センターから1キロちょっと、シャトルバスで遺跡のそばまで送ってもらい、広大な草原の中に立つ石の周りをぐるっと歩ける。混雑とまでは言わないが、ぞろぞろと歩く人は絶えない。ああ石だ…。

夫が、すごいな〜と呟くので、オッ意外に響いてる? と思ったら、コレでこんだけの人を集めてるのすごいな、などと言っていて不遜だった。

 

夫と息子を尻目に、この日のために落としておいた日本語版オーディオガイドを聴き、またビジターセンターで学び、なるほどと新鮮に理解したことがいくつかあった。

・柱石には突起、乗っている石には穴があり、乗っているだけでなくガチッと組まれている。

・このサークルは紀元前に数千年単位でなんらかの重要な場所であった。初期には墓地でもあった。時代ごと色々な建造物が作られ、今残っている巨石群は中ではわりと後半のものらしい

・石は高いもので6メートルほどあり、実は下にも2、3メートル埋まっている

・石材も何十キロも遠くから運ばれたもので、設計やデザインや現場指揮を取る人物をはじめ、数百人規模の人数が関わったはず。建設をする人たちが住んでいた集落跡も見つかっている。

などなど。ちょっと違ったりするかも。いや知らんで来たんかいという感じだが、知らんで来たのだ。なんか謎の多い神聖なサークルらしい、でかい石が並んでいてすごいらしい、というだけで来たのだ。

実際、何とも言えない雰囲気があった。曇り空がよく似合っていた。来れてよかった。

 

ビジターセンターではお土産を買った。イギリスで今まで見た観光地の中でも、かなりお土産が充実していて、ものすごく迷った。

特にたくさんあったのはミニチュア。ストーンヘンジそのもののミニチュアが大小取り揃えられている。机に飾ってたら埃が溜まりそうだし、インテリアの統一感(そんなものうちにはもともとないが )を乱してくるよな、と思っていたら、平べったい缶の中に入っていて蓋ができるタイプもあった。気がきくね、でもこれ開けるタイミング生活の中であるかな? と思い見送った。

自分で並べられる模型セットも魅力だが、そこそこ場所を取るので出しっぱなしにもできない。でもふだんしまっといておもむろに並べるタイミング生活の中であるかな? と思い見送った。

一番面白かったのは、ストーンヘンジを並べておいてボウリングのように玉を当てて倒すゲームだった。不遜すぎるだろ。あと存在は面白いがゲームとしてつまらなそうだったので見送った。

悩みに悩んで結局絵葉書とトリリトンストーンヘンジの一基 )の小さなピンバッジを買った。トリリトンぬいぐるみもなかなか良かったが、どう見ても角張ったネックピローだったので見送った。

息子はロンドンバスのオモチャを欲しがったが、いや石関係ないじゃん、石関係のものにしな! と望まぬ石縛りをされ、やむを得ずトリリトンがプリントされたでっかいペロペロキャンディを買って即食べていた。

 

お土産のサイト。

https://www.english-heritageshop.org.uk

 

通常サークル内には入れないストーンヘンジだが、夏至冬至の日の早朝だけ、内側に入って昇る朝日を見ることができるらしい。

 

夏至、まだぎりぎりイギリスいるよなあ。

とちょっと考えている。